【もてなしの蔵】
お施主さんはここで有機農法で野菜を栽培している農園主である。味、安全性などが評判となり都内の有名レストランから直接買い付けに来る。もちろん一般のお客さんへの販売もしている。お施主さんはそんなお客さんたちに、夏にはバーベキューをしたり、冬には芋煮会をしたり畑で採れたての野菜を使って振舞うような、人をもてなすのが大好きな方でもある。
何かに活用したいと保存してきた築90年の農業蔵。昨年の夏に局地的に降った雹の直撃を受け、東側の壁が無残に落とされてしまったのを期に、再生させることになった。蔵を改修するのあたり、そんな「もてなし」や「つながり」の場を用意できないかと思った。農園に訪れた方がふっと立ち寄りお茶を飲んだり、採れたての野菜を使って料理教室を開いたり、農業を学ぶワークショップが行われたり、ギャラリーになったりと。
蔵の再生は左官の腕に負うところが多い。日本でも有数の左官屋さんとの協同で今年9月の竣工を目指し、動き出したところだ。
別の土地に大正15年に竣工したものを昭和20年代にここへ移築された。 表面の仕上げ漆喰が所々剥がれている。 |
完全に小舞が露出している西側外壁は、全面小舞から撤去し、小舞から新設、その他の面は漆喰から撤去、復旧を考えている。 |
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