2016年10月15日土曜日

外と内をつなぐ場所。

窓は光を取り入れ風を取り入れ、建物外部と内部をつなぐ接点である。幅、高さ、形、取り付ける位置、開閉の方法によって建物全体の表情が決まる大事な要素でもある。サッシュの取付ももうすぐ終わる。


小さい窓の内側にはアクリワーロンという透過する木目調のアクリル板の障子を設け、薄ぼんやりと室内の明かりが漏れる計画としている。

2016年7月1日金曜日

合氣道の達人は整体の達人

ラグビーの練習でパスをもらおうとしたところ、そのパスのボールが左顔面を直撃し、ものが噛めないほど顎にダメージを受け、噛み合わせもおかしくなってしまった。

顎関節の捻挫か。

こんなことで情けない。

その翌日、合氣道道場の座禅会に参加し、先生にその顛末をお話ししたところ、ほっといたら顔曲がっちゃうから、座禅終わったら診てあげます。ちょっと痛いけどねとの事。

合氣道は整体でもある。

じゃあ、仰向けになって寝てください。
痛い顎をグリグリやるのかなぁと思っていたところ、じゃあスイッチ入れてくからねと言いつつ、なんと顎から一番遠い右足親指の関節を捻りあげ出した。あまりの痛さにヨダレを垂らし、涙を流しながらもそれに耐え、整体は右半身を一通り絞り上げ、一番の患部を一切触らず終了した。

これで放っておけば治りますからと。

整体から半日が過ぎたところだが、ほぼ痛みはなく、噛み合わせの違和感もなくなった。
浦上 豊先生は合氣道の達人にして整体の達人でもある。

合氣道浦上道場

2016年6月27日月曜日

お呼ばれ

少し前の話しになりますが、「もてなしの蔵」が無事竣工し、そのお祝いということでご招待いただきまして、たくさんのご馳走とともにおもてなしをいただきました。お施主さんは無農薬有機栽培を実践されている農家さん。都内有名レストランが直接買付けにもくる安全安心でおいしい野菜を作っています。その採れたて野菜を使った料理の数々。とても美味しくいただきました。

私も野菜作りなど好きでよくやってますが、所詮テラスでのプランター栽培。やはり植物の勢いが違う。生命力が違う。土のある暮らしにとても憧れます。



料理はすべてここの農園で採れた野菜を使ってます。




蔵と同級生のおばあちゃんが炊いてくださったお赤飯のおにぎり。このツヤ。あまりに美味しくおみやげにいただきました。
新進気鋭のシェフにお越しいただきローストビーフ仕込中。
見よ。この絶妙な火の入れ具合。
宴は日がとっぷりと暮れるまで行なわれました。

みなさん、ありがとうございました。

今度は新鮮野菜を仕入れに参ります!

 

2016年6月25日土曜日

目撃者

今日はJAPAN対SCOTLANDの第2戦。先週は豊田スタジアム。今日は味の素スタジアムで行なわれる。前回のワールドカップで唯一勝てなかった相手。先週も惜しくも敗れてしまった。

テストマッチとしては初の天覧試合。そして後輩の大野均選手も出場予定であり、役者は揃った。

勝利の目撃者になってきます。


2016年6月22日水曜日

狭小住宅を考える ー事例を通してー 2

前回に引き続き、今回は2階の夫婦の部屋と子供たちの部屋について書いてみたいと思います。

当初からの要望で2階はそれぞれ独立した子供部屋と夫婦の寝室を設けることが要求された。ただ、3室をこの床面積の中で確保することは難しかったため、増築をしないでなんとか生活スペースを増やす方法を考えた。

夫婦の寝室
改修前は6畳の和室だった。そこへ収納確保のため新たに1間半分の押入れと仏壇置場を設けた。生活スペースとしては多少狭くなったが、就寝する分には十分である。これで納戸に有った3竿分のタンスの収納量は確保する事ができた。
改修前の和室。洗濯物の下に布団を敷いて寝ている状態。




押入れ・仏壇置場方向を見る。籐製の家具があるところが仏壇置場。押入半分は上下に分けクロゼットとして使用する。




長男の部屋
当初から納戸の天井裏に2畳ほどの収納ロフトがあり、工夫次第では就寝スペースになると判断。長男の部屋は2階の納戸を勉強スペース、そこからはしごで就寝スペースのロフトをつなぎ、縦方向に拡張することにより生活スペースを確保した。

改修前の納戸。3竿のタンスが押し込まれていた。

元々納戸だったスペースは長男の勉強スペースとした。隣の長女との部屋はクローゼットで仕切り、その上部を足場代わり(キャットウォークーク)に使い、このはしごを使って就寝スペースであるロフトへとアクセスする。
 ロフトからキャットウォーク方向を見る。左側にある格子は階段と空間的につながり、空気の通り道を確保し、熱さ対策としている。
ロフトは約4畳ほど確保できた。中央から右にある三角形の棚は奥のご夫婦の寝室の天井裏に位置する。ここでもデッドスペースを生きたスペースに有効活用している。また、このロフトは階段から上がってきた空気は格子を抜け、左側の窓を通り家全体の換気装置も果たしている。

長女の部屋
元々、長男が使っていたハイベッドに塗装を施し、再利用した。ベッド下に勉強スペースを確保するためベッドの脚に下駄を履かせている。ベッドに横になった時に窮屈な感じにならないように天井を屋根の勾配なりにし、圧迫感を軽減させた。


改修前の子どもたちの部屋。奥のベッドを再利用した。


2016年6月21日火曜日

狭小住宅を考える ー事例を通してー 1

文京区大塚 護国寺そばの閑静な住宅街の中にその家はある。

木造2階建て、建坪7坪の決して広いとはいえない空間に4人家族が住んでいる。収納スペースがあまりにも少なく、なおかつ一般よりも物が多いため、部屋中に物があふれていた。家族のケンカの原因はいつも「片付け」の事。

依頼主は家族に対する思いがあふれている。

共働きで家族が顔を合わせるのは夕食の時ぐらい。
せめてこの時間は子供たちと笑顔で食事がとれれば。
そろそろ思春期を迎える子供たちのそれぞれの部屋や夫婦の部屋があれば。
子供たちがいづれ巣立っても帰る場所を残しておきたい、と。

今回は、狭小住宅での最大限の収納量の確保と居住空間の確保をローコストで実現させるという矛盾した難しいテーマに取り組んだ。

現場調査

60足分の下足や溢れかえっていた荷物の山や納戸の3竿分のタンスやその隙間に埋もれて細々と遊んでいる娘さんの姿を初めて目の前にした時は、正直頭を悩ませたが、今までデッドスペースだった部分を発見し、それを生きたスペースに変え、物理的に増築は不可能なため広く感じるような設えを工夫した。

写真はリビング・ダイニングとして使われている部屋。元和室だったところを数年前にフローリングに改修して使用されていた。食事の度にダイニングテーブルを出し、食事が終わるとリビングスペースを確保するためにまた元に戻すという不便な生活。流し台も狭く、冷蔵庫は便所への動線上におかれているため本来の人の動きが制限されている。浴槽は膝を抱えなければ入れないほど小さく、一日の疲れを取るにはほど遠い。

リビング・ダイニングとして使われている部屋

玄関にそびえる下足棚

狭小空間の改修の考え方

  • 狭い空間は必要以上に区切ってはいけない。出来るだけオープンにし、広がりを持たせること。
  • 兼ねられる機能があれば兼ねること。
  • デッドスペースをなくし空間を使い切ること。
以上のことから、1階の余分な壁を取り除き、玄関から便所と台所へ行くためだけの通過動線になっていた廊下スペースを新しいリビング・ダイニングの生活空間へと取り込んだ。水回りは道路側と反対側にまとめ、2階のベランダにあった洗濯機も新しく1階に設けた洗面脱衣室に下ろした。もちろん階段下は収納として利用する。


ダイニング・リビング
リビング・ダイニングはこの住宅の一番重要な空間である。狭いながらもそれを感じさせず、あふれていた物はすっきりと収まり、機能的であたたかでなければならない。

キッチン
配膳台とダイニングテーブル。両袖を上げると長さ1.6mの配膳台となり流し台のスペース不足を補う。
両袖を下ろした状態。
ダイニングテーブル上部の吊収納。手前の面を除き、その他3方向側面から使用する。
ホール側は手動式昇降機を設け出入れが容易なようにした。
ベンチ側は来客にも見えないので予算削減で扉なしとした。ベンチに上がって出入れする。


玄関の工夫
玄関上がり框の部分を利用したスリッパ収納。
こちら側にも設けた。

三面収納
三面収納。この面は60足収納の下足入れ。
腰から下の部分は引き出し式になっており奥の靴も容易に出し入れができる。



2016年6月20日月曜日

土地の神様に

地元の神社の宮司さんに地鎮祭を執り行なっていただきました。

お施主さんや関係者のみなさんと積上げてきた一つの設計が、実際に施工の始まる出発点となるわけですから、地鎮祭はいつも気が引き締まります。

まず、修祓(しゅばつ)といって斎場と参列者のお祓いを行ないます。次に地鎮祭の神々をお招きする降神(こうじん)。続いてお供え物の献上する献饌(けんせん)、祝詞奏上(のりとそうじょ)と続き、敷地の四方をお祓い清める清祓いの儀(きよはらい)を行ないます。


お祓いの儀式が一通り終わると鍬入れの義に移ります。

鍬入れの儀は、まず最初に斎鎌(いみかま)といって、草刈りの真似事をします。だいたい設計者が行ないます。左手に枝を掴み、右手に鎌を持ちエイ、エイ、エイと3回、大きな声を出して草を刈り取る真似をします。次に、お施主さんによる斎鍬(いみくわ)です。同じように3回エイ、エイ、エイと立砂に鍬を入れます。最後に施工者によって斎鋤(いみすき)といって鋤入れが行われ鍬入れの儀は終わります。

立砂(盛砂) 鍬入の儀はここを中心に行われる。
最後に玉串奉奠(たまぐしほうてん)、お供え物を下げる撤饌(てっせん)、地鎮祭の神々にお帰りいただく昇神(しょうじん)、そして神酒拝戴(おみきはいたい)と進み地鎮祭は終わります。



無事、土地の神様にお許しをいただきました。
【コモレビ】いよいよ始まります。

2016年6月15日水曜日

森の賢者

うちの事務所の裏にふくろうサロン(猫カフェのふくろうバージョン。ただしお茶は飲めない)がオープンした。気になるもののなかなか訪問できずいたが、先日初訪問。

ベンガルワシミミズクというのだそうだ。羽を広げると1m以上はある。
何とも聡明そうな表情をしてらっしゃる。
なんだろう。
森の賢者といわれるが、眼力が物凄い。
全て見透かされているようだ。


ちょっとコイツのファンになつたかも。



2016年6月14日火曜日

もてなしの蔵 再生完了

お施主さんはここで有機農法で野菜を栽培している農園主である。味、安全性などが評判となり都内の有名レストランが直接買い付けに来る。もちろん一般のお客さんへの販売もしている。お施主さんはそんなお客さんたちに、夏にはバーベキューをしたり、冬には芋煮会をしたり畑で採れたての野菜を使って振舞うような、人をもてなすのが大好きな方でもある。

何かに活用したいと保存してきた築90年の農業蔵。一昨年の夏に局地的に降った雹の直撃を受け、東側の壁が無残に落とされてしまったのを期に、再生させることになった。蔵を改修するのあたり、そんな「もてなし」や「つながり」の場を用意できないかと思った。農園に訪れた方がふっと立ち寄りお茶を飲んだり、採れたての野菜を使って料理教室を開いたり、農業を学ぶワークショップが行われたり、ギャラリーになったりと。
(以上、前回ブログ文再掲)

そしてついに築90年の蔵が再生完了しました。


1階サロン 階段下はパントリー。
1階ではお施主さんによるセミナー、ここ農園で採れた新鮮野菜を使った食事会、ワインの試飲会などのイベントやギャラリーとしての貸出などを予定してます。

1階サロン 入口方向を見る。同じ溝を板戸と格子戸が移動する。
あとでお施主さんにお聞きしたところ、工事も終番を迎え床も張り上がったころ、その日は作業が早く終わり、職人さんもいなくなったので1階のケヤキの床に寝転んでみたら、ほんの少しのつもりが、あまりの気持ちの良さに数時間うたた寝してしまったとの事。

2階サロン 梁下の高さが低く頭をぶつけやすかったので2階の床を下げている。
2階サロン 階段方向を見る。
以前の急勾配のはしごのような階段を撤去し、登りやすい階段を場所を移し新設した。

2016年6月13日月曜日

全日本合気道演武大会へ

開会冒頭の国歌斉唱。
会場にいる方々の一体となった歌声が武道館の天井まで舞い上がり、ゆっくりとまた舞い降りてみんなを包み込む。50年生きてきて最高の君が代でした。