2013年5月23日木曜日

生活発創倶楽部にて

先日、生活発創倶楽部においてデザインコラボレーション&フュージョン発創展開と題し、実例を交えお話しさせていただきました。今後の展開が楽しみな倶楽部です。みなさんのご参加をお待ちしてます。



生活発創倶楽部 http://www.life-creaidea.com


2013年5月20日月曜日

学校のトイレ改修に際して


<現状の問題点>

学校のトイレは排泄するためだけの空間では無い。昇降口や廊下などのように必ず一日のうち一度は利用はするが、ただ通り過ぎる空間でもなく、少しの時間はそこに滞在する。そこは、学級、学年を超えて顔を合わせるちょっとしたコミュニケーションの場であったり、みんなが気持ちよく使えるように、生徒一人一人がみんなを思いやる気持ちを培う場であったり、ルールを学ぶ場でもあるはずである。がしかし、これまでの学校の既存トイレは「臭い」「汚い」「暗い」という言葉で表現され、うまくその機能を発揮出来ないでいる。
一体「臭い」「汚い」「暗い」の原因はなんなのであろうか。経年変化による劣化や破損はもちろんあるが、まず考えられる原因としては以下の事が考えられるだろう。

●今までのトイレの便器は和式便器が多く採用されているが、和式便器は洋式便器に比べ便器外排泄の可能性が高い。それが床と便器の廻りや隙間に残り臭いの原因となっている。

●旧型の小便器は足下まで便器がカバーする低リップ型でないことが多く、便器外に小便が行き易く、そのため汚れ易く臭いの原因となる。

●床をデッキブラシなどでこすり、浮き上がった汚れを水で洗い流すいわゆる湿式清掃のトレが多いが、この方式は便器外排泄の場合洗い流せるというメリットはあるが、清掃後の水分によりカビや雑菌繁殖の好環境となり臭いの原因となっている。長年にわたり蓄積した床タイル目地(モザイクタイルが多いのでその分目地も多い)の汚れは日常レベルの清掃での対処は難しい。

●床タイルの目地に付着沈着した黒ずんだ汚れが、空間全体を暗くじめじめした暗い印象を与えている。

●照明は天井の全般照明だけのところが多く、ブース内に明かりが届かず物理的に暗い場合がある。


<その対策>

日常生活には必要不可欠で教育的側面や公共の精神や自立心を育む絶好の空間が、「臭い」「汚い」「暗い」という負のイメージで敬遠されている。その問題点を解決し、清潔で機能的で明るく快適な、みんなが利用しやすいトイレにするにどういった方法がよいのか。また、生徒の健康管理や今後増えるであろうインフルエンザ、ノロウィルスなどからの疾病予防の観点からもトイレや手洗設備は学校内の重要な施設として位置づけられることが考えられるので、合わせてその点からもその方策を考えてみたい。

●床の乾式清掃化
土足で使用する駅や公園のトイレは、土ぼこりなどを洗い流す湿式清掃が適しているが、学校は上足であるので土ぼこりなどの汚れはあまり気にならない。現在採用の多い湿式清掃が皮肉にもカビや雑菌を繁殖させているので、清掃方法を衛生的な乾式清掃に変える。その場合は、出来るだけ清掃がし易い床材を選定し、汚れが残らないように目地などは極力なくすようにする。

●便器の洋式化
臭いの原因となる和式便器をできるだけ洋式便器にする。その場合、直接便器と肌が触れるのを嫌う生徒児童もいるので和式便器をある一定数残す事も考慮する。

●巾木換気の採用
臭いは、ほとんど床付近(床と便器の取り合い、床タイルなどの目地)で発生するが、壁・天井付の換気扇では、室内に臭気が拡散してしまう。上記臭いの発生源をなくす工夫をしても防ぎきれない臭いは、拡散前に発生源近くから臭気を排出することが効果的である。人間の鼻に届く前に換気してしまうのが肝要である。

●自然光の確保と全般照明、間接照明の併用
学校のトイレ利用はほとんどの場合昼間に限られるので、空間全体の明かり取りは自然光をメインとし、足りない部分を天井の全般照明で補う。またブース内には補助照明として間接照明を採用する。外壁へ新たに開口を設けるのは困難を伴うため、既存窓を有効活用し、ブースなどがかからないようにプラン作成時に配慮が必要である。また、窓を段窓にし一部ガラリとして吸気を確保してる例が多いが、トイレ入口をオープンにする事によりガラリが不要となり、その分ガラスとし採光面積を増やす事も可能となる。

五葉棚瓢杓使い


先日、玉川大学にて東京煎茶倶楽部主催によるお茶会が催されました。前日の雨が残るのではないかと心配でしたが、なんとか晴れ間も見え、たくさんのお客さんを迎えることができました。

今回は講堂のホールに一坪の茶室を設営し、そこで五葉棚瓢杓使いのお点前です。私自身、今年に入りほとんど稽古が出来ず、今回は全く自分のお点前に全く納得がいきませんでした。やはり日頃の準備が大切ですね。

お茶は精神を集中するのにとてもいい訓練になります。息長く、ゆっくりと楽しんでいきたいと思ってます。









2012年9月5日水曜日

邂逅

次男が通う高校で職業を聞く会の講師募集をするというので、手を挙げさせていただいた。進路選択をする際、身近な対象から選びがちになるので全校生徒の父兄から幅広く募集しているとのこと。

私の場合、「建築」という種が心の中に蒔かれたのは、小学校3年のときに父親が自宅の新築をしたときのような気がする。学校から帰っては大工さんの仕事を飽きずに見ていた。鉋から出てくる向こうが透けるぐらい薄い布のような鉋屑やきれいに揃った道具たちに釘付けになった。

高校でその先の進路を決める際、コンピューターの道か建築の道かを迷った時期があったが、建築を選んだ。あれから30年。道は自分で選んだ(つもり)だが、その道程で遭遇することはまさに邂逅。思いがけない出会いやめぐり合わせの結果が今を形づくる。

職業に就く動機やきっかけは人それぞれであるが、待っていては出会いはなく、巡るものも巡っては来ない。いろんな経験をして引き出しをたくさんもつことが大事だと子供たちに伝えるつもりだ。


2011年10月30日日曜日

白川郷を訪ねて

先日、日本で文化遺産としては4番目に登録された世界遺産として知られる、岐阜にある白川郷合掌造り集落を訪ねた。かなりの数の観光客でごった返し、ゆっくり見学するという訳にはいかなかったが、県指定重要文化財が九棟が残る「合掌造り民家園」は落着いて見ることができた。

桂離宮の名を世界に広めたドイツ人建築家のブルーノタウトは、自著「日本建築の基礎」で白川郷を「これらの家屋は、その構造が合理的であり論理的であるという点においては、日本全国を通じてまったく独特の存在である」と評しているが、はじめて見た時には本当に驚いたに違いない。掌を合わせたような形から合掌造りと命名されている工法は、日本でも他では見られず、その大きく存在感を持つ屋根が何棟も連なる姿はあまりにも壮観である。

建物は南北に通る谷に合わせ、それに沿うように南北に配置されている。これは、谷を吹抜ける風に対して一番小さな壁面を南北に向け風の影響を減らし、屋根全面に日差しを得るためであった。そして、雪下ろしの作業軽減や多雨地帯の水はけを考慮し、あのような急勾配になっている。また、養蚕や和紙漉きなどの家内工業を有効に活用するために、入母屋や寄棟とせず、屋根裏空間を最大限にとれる切妻を採用している。

一つ一つが理にかない、自然に逆らわず、自然と共に「共生」しようとする先人の知恵はいろいろな事を私に教えてくれる。紅葉が始まりだした木々と茅葺き屋根は、文字通り自然と一体となった姿となり、初秋の一日を楽しませてくれた。

今度は雪のある季節に訪れてみたいと思う。


















屋根が地面につきそうになっている写真左の建家は、火事や災害で家を失った人の仮設住宅であったらしい。
中は竪穴式住居にようになっていた。








































鳩谷八幡神社



2011年9月30日金曜日

秋晴れの中


先日、しもふさ東武カントリークラブ クラブハウス竣工一年を迎え、関係者を集めゴルフコンペが行なわれました。震災による致命的な被害は受けずに済みましたが、やはり壁のボードやクロスが切れ、このほど補修を行ない完了しました。

秋晴れの中廻るコースはとても気持ちのいいものでした。
日頃使わない筋肉を使ったため翌日はかなりの筋肉痛を味わいましたが、一年振りに我が子に再会し、みなさんに親しまれている様子をみて、ほっと胸をなで下ろした一日でもありました。

2011年8月29日月曜日

隅田川の花火

向島 桜橋通りから。
首都高向島6号線の上と建物の間に花が咲きます。
ちょっと電柱が邪魔ですが。


8月27日に隅田川の花火大会がありました。
いつもは7月に行なわれるこの大会も今年は震災の影響でこの時期となりました。
これから夏を迎えるという時期と、そろそろ終わりを迎える時期と、
ひと月違うだけで随分感じ方が違うものです。

そして来月は牛島神社のお祭りがやってきます。

2010年11月8日月曜日

都市の「里山化」

青山の国連大学前で開かれている「Farmer's Market」へ休みを利用し行ってみた。毎週土曜日に開催されているらしい。普段あまりお目にかからない種類の色とりどりの野菜や果物ほか農産物が並んでいる。無農薬、無化学肥料など栽培方法にもこだわりを持った生産者が自ら店を出しここで売っている。実際に作っている方と会話しながらの買い物は楽しいし、見て廻るるだけでも飽きない。


行き過ぎた都市化は生き物としての人間を狂わせる。
土に触れ緑の中で暮らしたい。光や風を受け、季節を感じながら生活したい。
と自然の一部である人間の本能が訴え出している。


都市の利便性を損なわずにもっと自然を感じられる街作りはできないものか。
技術は人間を自然から遠ざけるものではなく、人間と自然をつなぐ架け橋に使われるべき。


都市の「里山化」で人々は輝き出す。
http://www.taro.org/2010/11/post-843.php

2010年10月28日木曜日

クラブハウス竣工ーしもふさ東武カントリークラブー


茨城県結城市にある「しもふさ東武カントリークラブ」のリニューアルに伴うクラブハウスの設計・監理をさせていただきました。ボリュームをできるだけ抑え木造平屋建てとし、自然に溶け込むようなデザインを心掛けました。









アマチュア時代、石川遼選手はこのしもふさで練習に励み世界へと羽ばたきました。

住所:茨城県結城市江川新宿字中篠1974
予約:0296-35-4145

2010年8月8日日曜日

黄金色 陽炎ゆれる 天空の樹

犬の散歩途中、何の気無しに隅田川の方へ目をやると、いつもとは違う風景がそこにあった。実は吾妻橋にあるアサヒビール本社のカーテンウォールに、現在建設が進む東京スカイツリーが映り込んだもの。優雅に飛ぶカモメとも相まっていい一枚が撮れた。

2010年6月15日火曜日

桜咲く

季節外れの桜が咲いた。

かねてから工事を進めていたバーが完成し、この度開店の運びとなった。
東大正門の近く、文京区本郷の小さな小さな店である。

オーナーは向島で料亭を営んでいた方である。
その方のイメージをお店の内装に活かすべく考えた結果、「桜」をモチーフに全体に統一感を持たせた。
店内、「桜づくし」である。

カウンター4席、テーブル2席と小さいながらゆっくりと癒される空間が実現出来たと思っている。



BAR Aso
住  所 文京区本郷6-16-11 PATIO DE本郷B1F
電  話 03-5689-4144
営業時間 19:00〜23:30(土曜予約のみ、日曜祝日休)

2010年6月17日 オープン
ご来店の際はご予約のお電話を。

2010年3月21日日曜日

種を蒔く

以前出演した「ビフォーアフター」を見たという中学2年生3人が、山口県から修学旅行の一環で当方を訪ねてくれた。「夢を達成させるために大切なこと」をテーマに修学旅行中に東京の企業などに話を伺う訪問活動である。


私は住宅の設計の場合、「家族が笑顔になる住まい」を心掛けているが、そこが特に興味があるらしく当日訪問の主なテーマとなった。社会を構成する最小単位である『家族』に笑顔があふれ、深い絆で結ばれることが出来れば、ひいてはその地域、日本全体が住みやすい社会につながっていく。そのために建築というものを通して貢献したいのだ、というようなことを伝えた。


建築は奥が深く、一筋縄ではいかない。人ある限り必ず建築が必要になる。
何にでも興味を持ち一度はやってみること。引出しを増やし蓄えること。感じ、話し、そして継続すること。彼らの一生懸命に熱心にメモをとるその姿はとても頼もしかった。


ふと時計を見ると、ぼくらに与えられた時間はあっという間に過ぎてしまった。


名残惜しくお代わりのジュースとお菓子を差し出すとそこは中学生、「ありがたいっす!」と言って顔をほころばせた。大人になったら、酒を飲みながら建築談義に花を咲かせたいものである。





今日は、建築の「考え方」の種を肥沃な土にそっと蒔いた、そんないい一日だった。

2010年3月18日木曜日

創部50周年記念祝賀会

先日、大学のラグビー部 創部50周年記念祝賀会が都内で開かれ出席した。
懐かしい顔・顔・顔。
よく言われることだが、一瞬にしてその当時に戻ってしまう。
不思議な感覚だ。

その当時のプレーや下宿での生活や女の子の話で盛り上がり(なぜか勉強の話はなかったような)、気がつくと延々と9時間は飲んでました。(苦笑)

来れなかったチームメイトにちょっとだけ自慢を。
我らがヒーロー東芝ブレイブルーパスで活躍中の大野選手と写真を撮りました。
大野選手は私の13代後輩であり、トップリーグ 09-10 MVPであり、日本代表のロックを務めてます。
文字通り、見上げるほど「デカイ」。

日本代表 トップリーグ 09-10 MVP 
東芝ブレイブルーパス 大野均選手と