2016年6月22日水曜日

狭小住宅を考える ー事例を通してー 2

前回に引き続き、今回は2階の夫婦の部屋と子供たちの部屋について書いてみたいと思います。

当初からの要望で2階はそれぞれ独立した子供部屋と夫婦の寝室を設けることが要求された。ただ、3室をこの床面積の中で確保することは難しかったため、増築をしないでなんとか生活スペースを増やす方法を考えた。

夫婦の寝室
改修前は6畳の和室だった。そこへ収納確保のため新たに1間半分の押入れと仏壇置場を設けた。生活スペースとしては多少狭くなったが、就寝する分には十分である。これで納戸に有った3竿分のタンスの収納量は確保する事ができた。
改修前の和室。洗濯物の下に布団を敷いて寝ている状態。




押入れ・仏壇置場方向を見る。籐製の家具があるところが仏壇置場。押入半分は上下に分けクロゼットとして使用する。




長男の部屋
当初から納戸の天井裏に2畳ほどの収納ロフトがあり、工夫次第では就寝スペースになると判断。長男の部屋は2階の納戸を勉強スペース、そこからはしごで就寝スペースのロフトをつなぎ、縦方向に拡張することにより生活スペースを確保した。

改修前の納戸。3竿のタンスが押し込まれていた。

元々納戸だったスペースは長男の勉強スペースとした。隣の長女との部屋はクローゼットで仕切り、その上部を足場代わり(キャットウォークーク)に使い、このはしごを使って就寝スペースであるロフトへとアクセスする。
 ロフトからキャットウォーク方向を見る。左側にある格子は階段と空間的につながり、空気の通り道を確保し、熱さ対策としている。
ロフトは約4畳ほど確保できた。中央から右にある三角形の棚は奥のご夫婦の寝室の天井裏に位置する。ここでもデッドスペースを生きたスペースに有効活用している。また、このロフトは階段から上がってきた空気は格子を抜け、左側の窓を通り家全体の換気装置も果たしている。

長女の部屋
元々、長男が使っていたハイベッドに塗装を施し、再利用した。ベッド下に勉強スペースを確保するためベッドの脚に下駄を履かせている。ベッドに横になった時に窮屈な感じにならないように天井を屋根の勾配なりにし、圧迫感を軽減させた。


改修前の子どもたちの部屋。奥のベッドを再利用した。


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